COLUMN
はじめまして。
皆さんはサーキットの「ショートコース」というものを知ってますか?
実を言うと、僕は全然知りませんでした…。
そんな僕がなぜショートコースをに挑戦することができたのか。
そして走った結果どうだったのか、というところをまとめてお話しさせていただこうと思います。
まず、私の自己紹介をさせていただきます。
私は関東地方にある田舎の学園都市大学に通う2年生です。
車は大学通学に使ってます。(関東の田舎なので必要なんです。)
車への興味は自分が車を持つようになってから。完全に見た目でカッコイイ…ってなるタイプの人間です。
そんな私がどうしてショートコースを走れたか。
それは完全に「運」でした。
きっかけは「大人の教習所2.0」の インスタグラムの広告です。
ん?いい車に乗れるん?
運転できるん?良い車運転したい!!
と、すぐにアカウントをフォローし、応募しました。
そのままインスタグラムに投稿を見てみると…
インターンの募集の投稿が!!
「お金をもらえてさらにいい車に乗れる?」
これやん!こんなの応募するしかないやん!はい応募しまーす!
という軽い動機でこちらにも応募しました。。
そのまま面接を受けた(緊張しました…)後、編集長から一言。
「来週ショートコース走行会あるけどこれる?」
「ま、君が走れるかは澤さんに相談だから現時点では保留なんだけど、走れなかった時は運営の手伝いしてね」
「走れなくても、ポルシェがいっぱいくるから見るのだけでも楽しいんじゃない?」
とお声が。
これは…チャンス!!!
走るのも好きですが、見るものもちろん好きっス!
ショートコースが何かは知らないけどまあ「ショート」ってついてるぐらいだし、
走らせてもらえた場合、【初心者】でもいけるっしょ!!
「行かせてください!!」
と二つ返事でOKしました。
このようにして私のショートコースデビューは決まりました。
ショートコースの恐ろしさを知らずに…
ここで、このコラムを読んでくださっているあなたに1つ覚えて欲しいことがあります。
サーキットで使う【初心者】は「初心者免許」の初心者ではないです!
そこだけは絶対に覚えて帰ってほしいです。(笑)
ここで一旦私の運転レベルについてお話しさせていただこうと思います。
運転免許証を取得したのは2018年7月。12月末に自分の車をゲットしました。
選ばれた車はアクア。
選んだ理由は単純で、「見た目もカッコイイし、燃費もいいし最高じゃん!」というものです。
手に入れてからは大喜び。近所の山を週1で攻めたり(ただのドライブ)、
意味もなく大学からの帰り道を遠回りしてみたり、
友人の足にされたりととにかく運転三昧。
1年間での走行量は1.5万キロ超えです。大学生にしてはなかなか走っている方ではないでしょうか?
サーキットについては全くの無知。ゆえに「アウトインアウトでしょ?余裕じゃん」と思ってました。(本当にすみません)
はい。
正直、自分の運転には自信がありまくりだったんです。
そう、この日が来るまでは…
当日の朝、初めてショートコースとご対面!!
その最初に抱いた感想がコチラ!!
「………え、ショートじゃなくね?」
サーキットに関してあまり知らない人はお気を付けください。ショートコースはショートではないんです!(ショートです。)
なんかストレートはしっかりあるし、S字みたいなところあるし。これはもうロングじゃん!(ショートです。)
ここで1回り心臓が小さくなります。
しかしもともと心臓が大きくなっていた少年。まだ「俺のドライビングテクニックが爆発しちゃうぜ!」などと思っています。
そして走行会が幕を開けます。
参加者の皆さんと初めに行うのはブリーフィング(※)
ここでまず最初にサーキットを運転することとはどういうことなのか。何に気を付けなくてはならないのか。
事故を起こしたらどうなってしまうのかについてのお話をしていただきました。
事故を起こすと最大で20万請求される(自分で事故起こしてるんだから当たり前)という話をきいて私の心臓はさらに1回り小さくなっていきました。
(※ブリーフィングとはイベントや企画において開催者が行う事前説明のことを指します。)
ブリーフィングを終え外に出るとそこにはその日貸していただくスバルのBRZが!!
いやカッコ良すぎん?
強そうで速そうで、やはりスバルのブルーはロマンあるなぁ。
乗ってみると全然アクアと違う!(そりゃそうだ。)
シートも低いし(そりゃそうだ。)
ハンドルから羽生えてるし!
カッコイイ~!スバル好き~!!
ここで調子に乗ってまた心臓が大きくなってしまっています。パドルシフトを羽だと思っているくせにひどい調子の乗りようです。
私の借りた車は私のほかにもう一人、澤さんの大人の自動車教習所のプライベートレッスンの会に参加された方が運転されることになっておりましたのでその方に先を譲り(ビビって先になんて乗れない…っていうのは秘密です。)
まずは様子見。
そして…衝撃。
皆さん速すぎる。
え、そこのS字そんなに入り早くて暴走しないの?ストレートそんなにスピード出したら曲がれないっしょ!!
…いや、暴走しない!曲がれてる!
皆さんうますぎやしないか?これ俺邪魔になるかもしれない…
しょうがない!コースなんて初めてなんだし!!せっかくのチャンス!BRZちゃんを乗りこなしてやるぜ!!!
といった感じで、完全に自棄になっちゃってますがやる気がめちゃくちゃ出ました。やったるぜぇ!
クルマの側面にゼッケンを貼って…(これ養生テープで貼るんです。普通のテープで傷つくほどもろくはありませんが、念のため)
ヘルメットをかぶりグローブをつけて準備オッケー!
乗車し、プロのドライバーである澤さんに同乗していただきます。
いざエンジンON!
音すご!!!!!
後部座席が爆発したんかと思いました。
(本当に一応)後部座席が爆発していないことを確認した後に、シフトをDにいれていざ発進!
ちょいちょいまてまてまて。
こわ~~~~!!!!!!!!!!
ちょっと踏んだだけでスピードめっちゃ出るんですけど!!!!(助手席で足踏ん張って体支えてます)
ブレーキ踏むと後輪ABS(?)でめっちゃガリガリなるんですけど!!!!
あの白とオレンジのシマシマしたところ(縁石)って乗せて走っていいんですか!?
アウトインアウトとか全然考えられないんですけど!!!!
でも、一回走ってみると…
なんとなく、どのラインを走ったらいいのか、
どこでブレーキ踏めばいいのかなどなどわかった気がしました。
もう、一回帰らせて~~~~~!!!!!
ということで、一度ピットへ。
澤選手からアドバイスをいただいたのですが、その内容が衝撃でした。
あのカッコイイ羽、ただの羽じゃないんですって。
パドルシフトっていって、これでギアを変更できるんですって。
飾り?なんて思っていた自分を殴りたい…
さらに澤選手はこう続けました。
「はじめてサーキットを走る人で上手に走れる人は、そうだね、早く走れることより、しっかり回りを見て安全に走ること。
コースインの時は、ちゃんと譲って他の車の邪魔にならないようにする。
後ろに車がついたら、相手が抜いてくれるから下手に左右に動かないでレコードラインを走ればいいから。
台数制限しているし、無理にスピードださなくていいから徐々に慣れていこう」
いやぁ本当にありがたいアドバイスです…!
さて、パドルシフトという武器を得た私はもう一度サーキットという名の戦場へと赴きます。
初心者ながら一生懸命パドルシフトをカチカチやって抜かされながら感覚をつかもうと頑張りました。
ここでブレーキを踏んで…ここでパドルシフトでシフトアップして…ここでアクセルべた踏みして……
スピードに慣れたからか少しずつ自分のイメージと車の動きが一体化してきたぞ!
そしてピットに戻り下車。
自分の体が気づかぬうちにこわばっていたことに気づきました。
頑張ったなぁ俺。
そうこうしているうちにお昼休憩になりました。
お昼休憩中ご飯を食べた後にどこを走るのがベストなのかを教えていただくために全員でコースを歩くことに。
コースを実際に歩いてみると運転している時に気づけない様々なことが見えてきます。
さらにここで今日一番と言っても過言ではない衝撃の一言が。
「ライン取りはコーナーの立ち上がりで(コーナーの最後のあたりの、ここからフルアクセルするぞ!とう場所)
『どの位置、どの姿勢、どのくらいのハンドルの舵角で走っていたいか』からラインを逆算していきます。
決して、ただ単純に、見た目だけのアウトインアウトラインで走ればいいというわけではありません。」
え?いまなんて?
単純にアウトインアウトじゃないの????
全国のサーキットミーハーの皆さん。知ってましたか?
”単純な”アウトインアウトじゃないんです!!
確かに一つのコーナーだけを意識してアウトインアウトで走るとその次のコーナーまでにアウトインアウトの準備が遅れたり、
そもそも一つのコーナーと思っていたコーナーが複合コーナーで「え!?今、自分どこ走っているの?」ってわからなくなったりしていたんですよね。
この衝撃的な事実を知り、愕然とする中ではありましたが、丁寧にラインを教えていただいて理解が深まりました。
昼食後は初心者の方が集まって(私一人だと思っていましたが複数名いて驚き!)復習のオーバルトレーニング。(※)
一番最初にお手本を見せていただき、どのようにすればいいかも教えていただきました。
なるほど。ブレーキを鳴らせばいいのね?OKOK。お手本でもめっちゃ鳴いてたしいけるっしょ!
なんて思っていましたがいざ走ってみて驚き!!!
(※オーバルとは楕円上のコースのことを指します。アクセルもブレーキも思い切り踏むことが大切で、ブレーキをうまく踏めるとキュキュキュと音が鳴ります。)
全然鳴らないじゃん!
なんで?車のせい?(ちがう)
俺のせい?(そう)
なんて自問自答を繰り返していましたが、同乗走行で納得しました。
ブレーキってそんなに思いっきり踏むものなんですね~。
本当に驚きました。助手席に乗っていると振り回されるんです。そんなに踏んでも壊れないんだと心底思いました。
しかしさすが同乗走行。効果は絶大で少しずつリズムをつかんでいきます。
そうしているうちにオーバルは終了。通常のショートコースへと戻りました。
運転の仕方も少しつかんだしコース歩いてラインどりは分かった。次こそは早くカッコよく走れるかもしれない。
なんて私は”この先起きる出来事を知らずに”思っていました。
オーバルを走りきった私のもとにさらにうれしい出来事が!
実際にショートコースを、しかも車はポルシェGT3RSで同乗走行させていただくことに!
まさかGT3RSで同乗させていただけるとは思っていなかったのでワクワクが止まりません!
果たしてプロの運転するショートコースは如何に!
結論:
めっっっちゃ酔った。
素晴らしいアクセルとブレーキのテクニックとハンドリング。1周目で「お昼休憩の時に歩いて確認したラインそのまんまだ!」
と感動します。
しかし実は最弱の三半規管を持っている私、感動もつかの間…
2周目は助手席のシートから飛び出ないことと胃からお昼休憩に食べたカレーが飛び出ないことのみに集中してしまいました。
そして、2周終了後。
ん?…3周目あるんですか?
いや、本当に気が飛ぶかと思いました。自分を褒めたいと思います。
そんなこんなで同乗走行は無事に(?)終了!
テクニックと思い切りが大切だということを切に実感することができました。本当にありがとうございました。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
もしかしたら「同乗走行後、さらにいろいろ学んだんだからタイム上がったでしょ?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のためにお返事させていただきます。
すみません。もう走れませんでした。
本当に申し訳ないですが、同乗走行によりKOを食らってしまいまして、それからは1度もショートサーキットを走れずに、ただお茶をちょびちょび飲んでいました。
サーキットとは日常生活では感じることのできない世界でした!
というのもいつもとはスピードが(私の場合は車両も)異なるので車は思った通りには動きません!
さらに自分でコースをよく観察して最適なラインを読み取る必要があります。
ショートコースが何かを知らなかった過去に自分に喝を入れたくなるぐらい壮絶な戦場であることが分かりました。(笑)
そんなこんなで事故を起こすことなく(本当に良かった…)終了したショートコース走行会ですが、
私自身パワーアップはしたと思うのでぜひ次は駐車場走行でタイヤをキィーーキィーーと綺麗に鳴らすことから始めたいと思います!